
吉田直樹インタビュ-A
――編集する時はアーティストさんの気持ちをすごい汲み取って書く感じですか?
「もちろん、それはありますよ。原稿に限らず、写真やデザインも含めて、効果的な方法で表現するという…」
――フリーのライターさんはどのように決めているのですか?
「ケースバイケースです。判断基準はそれぞれ違いますね。ま、アーティストさんとライターさんの相性みたいなものもありますし、取材時間が短いから進行手際のいいライターさんにしようとか現場の事情で判断する場合もありますし。ただ、どのアーティストさんにどのライターさんを、ということ以前に、読者の人をあきさせない、楽しませる文章をまとめてくれる、という人をまず候補にしてますね。音楽にくわしくても、できあがった原稿に魅力を感じられなかったり、そもそもそういうエンタテイメントの志向がない人にはお願いできないですよね」
――海外のアーティストさんと直接会えない場合はどうしてるんですか?
「直接会えない場合は、写真をかりて、コメントとれるようであれば電話なり、FAXなりでコメントをとって原稿にします。あんまり海外のアーティストさんは載ってないですけどね、ウチの雑誌には。ただ、別に日本だけとカテゴリーを決めているわけではないです…アーティストのラインナップはバラバラですね、ジャンル問わず」
――そうですね、それは特徴だと思います。
「音楽番組っぽいブッキングっていうか。音楽を知らない人でも楽しめるっていうのにしたいなあとは思ってますけどね。まあ、できてるかどうかは分からないんですが。プロの専門家だけが分かるような話し方じゃなくて、読んでる人が生活している中で、自分にとって関係があると思わせるような話の内容を聞いてもらったり。アーティスト側としても聞いてもらいたいこともあるんだけど、それも難しい言葉ではなくて簡単な言葉で…だけどすごい深いとこまで届くような話し方、書き方、聞き方っていうのをしてもらってます」
――インタビューをして、実際記事にする時は変わってたりするんですか?
「それは編集部さんのやり方で色々あると思う。ウチはもう、全然変えます!話してもらったことを誌面に出すときは趣旨が変わっちゃいけないけど、一番読者さんに届くような内容に調整したり、書き換えたりで構成し直したりします」
――ライターさんの言葉がばーっとある中に、アーティストの言葉でかぎカッコがあって…というのはどうしてるんですか?
「インタビューをして、あーゆう形式でまとめてます。あとは、資料を元にライターさんが書く場合もあります。逆にアーティストさんにしたらいっぱいインタビュー受ける中で、毎回おんなじこと聞かれたらつまんないだろうから。そこは、このインタビューはおもしろいなって思わせてあげて、なおかつ読者の人にも面白いと思わせる。…暴露雑誌じゃないんで、恋人はどうですかってプライベートなことは…聞きたいですけど(笑)聞きませんし、聞いても書きませんよね」
――では、吉田さんがこの仕事に就くまでを教えてください。
「ものすごい簡単だったりして(笑)。音楽は元々好きでバンドやってたりして、でも音楽の仕事につきたいとか、そーいうのはそんなに思ってなかったなぁ」
――バンドやってたんですか?
「高校の時はギターやってた!地元の中ではまあまあ、あんまりギター弾けるヤツいなかったんで。それで、大学行って音楽やりたいと思いつつ遊びとバイトばっかりでした。卒業して新聞社に就職して…すごい硬かったんです。スーツ着てネクタイ締めてシャキっとしてね。シャキっとしてないんだけど(笑)」
――編集の仕事をやってたんですか?
「そーですね、編集をやってましたね。ただ扱ってるのが全然自分に関係なくて、文書いたり記事作ったり。出版みたいな仕事には興味あったけど、やってることは全然おもしろくなくて…二年ぐらいで辞めて。で、ブラブラしながらアメリカに行って」
――アメリカには何をしに?
「いや、遊びに。一応大学みたいのに行ったんだけど、ブラジル人とイタリア人とサッカーやったりしてた。割と流れるまま何も考えてなくて、ただやばいなあ〜ってのはどっかにあった。で、そのころDTM(デスク・トップ・ミュージック)が流行りだして自分で曲作ったりしてましたね。でも人に聴いてもらいたいってよりは、お金にしたくて(笑)。そのとき映像ソフトのBGMみたいのは需要があったんで、そーゆー音楽作曲・制作をフリーでちょこっとやってました。その一方でファッション雑誌の編集部に一年位いたのかな?で、そこも辞めてブラブラとフリーライターみたいのやりながら、曲も作りながら、友だちがやっている飲食店の手伝いもしながら。色々やってましたね」
――それで今の会社をはじめたのは何年位前?
「この会社の前は『ミュージッククリエイター』って音楽雑誌をやってたんですけど、ドレミ楽譜出版ていう会社で。その会社はもともとウチの編集長がずっといて、楽譜じゃなくて音楽雑誌やるってことになって、僕も参加したんですけどね。そもそも僕の弟がやっぱりドレミ楽譜出版にいて、うちの編集長とつきあい長いんですけど、“雑誌やるけど誰かいない?”て話しになったときにウチの弟が“あ、兄貴がいますっ”てことで紹介してくれたんだすけどね(笑)。ちなみに弟はいま『月刊Songs』ってスコアマガジン雑誌の編集長やってるんだけど」
――やってて楽しいこと、辛い事は何ですか?仕事は忙しいですか?
「仕事は忙しいですよ。楽しいことは…あんまり覚えてない(笑)ありがたいとは思ってるんですよ!?雑誌をやりたいと強く思ってた時期には機会が無くて、その時に叶えばすごい良かったんだと思うけど。まあいいや〜って思ってやってて、気がついたらこうなってたんで。その当時を思い出せばそーいえばこんなことやりたかったと、忘れた頃にやってくる感じかな。」
――じゃあ、そのなりたいと思っていた頃と、実際なってからのギャップみたいのは感じますか?
「これに関しては無いんだけど、やっぱ学生の時といざ仕事をするっていう時に、昔を思うとすごい甘いところがいっぱいあったなあと思って。マンションの管理人とかやらされたりして、“何でこんなことやんなきゃなんねーんだよ、もっとやることあんだろ!?”って思ったこともありましたけど。納得行かなかったけど、後々経験が積み重なると色々解る。後になってみれば役に立ってるんだなって分かるし、役に立てるようにしなきゃいけないんだなとも思いますね」
――全然関係ないかもしれないけど、無駄にはしないようにと。
「だから今専門学校で、講義として教えてくれることももちろんあるし、こうやって外にでて話を聞くこともあるし、バイトしたり何だリで生活あると思うけど、そん中で一つ一つ道具として、これはこーゆう風に使えるっていうことを想定して。もし現場で自分がもっとこうしたいと思ったら、それはどうしたら良いのかっていうのをテーマとして持っておくとか。そういうことを意識して吸収していくと多分良いと思います」
――はい。日々勉強だなと。
「経験ですよね。で、そこから何かを学んでいくというか…ま、ベタな表現ですけど(笑)。だから、いっぱい遊んでそこから何かをつかんでいくという感じですか。人を喜ばせたり楽しませたりっていう仕事だと思うから、人がどう思うか、こうゆうことしたら人が喜んでくれるかっていうのを色んな所で感じながら、ボキャブラリーにして行くのが大事なんじゃないかなあと」
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